形・大きさ・名前等にもルールがある、それがフランスパン。
今日のパンが生まれたところは皆さんも知っている『パンのマーチ』にも出てくるエジプト。そこからギリシャ、古代ローマ帝国と(ヨーロッパに)伝わりました。で、日本には?というと、1549年、キリスト教と同じくポルトガル人によって伝わりましたが、江戸時代のキリスト教の禁制で陽の目を見る事がなく、幕末・明治にかけてようやく庶民に伝わったようです。しかしフランスパンはまだまだ一般的な食べものではなく、ずっと先(最近)1960年代に製法が伝えられフランスパンは今日に至るそうです。
昔は、今で言う「パン屋さん」が非常に少なく、駄菓子屋やスーパーが袋入りのパンを売っていたのを思い出します。今は至るところにパン屋さんが、しかも美味しい焼きたてものを売っています。フランスパンも多くのパン屋さんで売られているのではないでしょうか。フランスパンはバターやミルク、砂糖などを使わない素朴なパンで、外の皮(?)が硬く中がしっとりしている、噛めば噛むほど味がある美味しいパンです。
そのフランスパン、形と名前に一定のルールがあります。クープ(切れ込み)と呼ばれるパン表面の割れ目の数も名前によって決められていたりします。バタールがバター入りだと思っていた人(私も)は少なからずいると思いますが、“中間ぐらい”って意味のようです。私たちがよく目にするバゲッドは「棒、杭」といった意味で、長さはだいたい70センチぐらいクープの数は7つです。おおまかな種類は下記ご参照頂く事として、なぜクープの数まで決まっているのかは、中世ヨーロッパまでさかのぼります。
当時のフランスでは物価安定策としてパンの公定価格を決めて規制(日本の米の価格のようなものですね)をしたところから来ているようです。その頃のパン職人は比較的高い地位が与えられ、フランスパンの技術を確立していったといわれ、現在までその技術が継承されています。
今日もパリのパン屋さんでは出来たてのフランスパンを配達しています。ルノー カングーの車内いっぱいに、パンのいい香りをのせて。
《フランスパン紹介》
●ドゥーリーブル(意味=1kg.)長さ約55センチで大きい。重さ約850グラムの一番重いパン。クープの数は3。
●パリジャン(パリっ子)長さ約68センチで太い。重さは約650グラムの重いパン。クープの数は5。
●バタール(中間)長さ約40センチで太い。重さ350グラム。バター入りではありません。長さと太さがちょうど良い人気のパン。クープ数は3。
●バゲッド(棒、杭)長さ約68センチ、パリジャンより細い。重さ350グラム。日本でもメジャーなパン。クープの数は7。
●フルート(管楽器のフルート)長さ約65センチ、バゲッドよりひとまわり細い。重さ450グラム。クープ数は7。
●フィセル(紐)長さ約35センチで細い。重さ150グラム。クープの数は5。
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